本グループ展では樹脂を表面に使用したDaydreamとGateを展示した。
Daydream は白昼夢だが、作品自体がフワフワした夢のような映像性を持つわけではない。樹脂によりその内側に止められた現象が流れ去る現在との対比として、むしろ我々の現在との対峙の仕方こそが白昼夢ではないのかという逆説がコンセプトになっている。タイトルに付与された時間は現象を止めた時間つまり樹脂を流し込んだ時間が記録されている。
Gate A-Zは始点と終点の入口を想定している。日常生活に異世界や異次元を想像することは本来人間には当たり前のことだった。多様性と一口で言うのに実現が難しいのは、まさに意識の深層部分で多様性を失ってしまっているからに他ならない。
作品Gateを起点として、時にはドボンと「あちら側」へ飛び込んでみてほしいのだ。そうすればもしかしたら他者や世界への新しい見方が獲得できるかもしれない。