記憶の暗号 – 虚構の被膜

身体性から生み出された現象の蓄積により創出される結果としての”モノ”。それがMemory Code(記憶の暗号)の基本的な思惟構造である。そして、そのモノはそれ自体で私という一つの人間存在そのものを表す。
対して、現代を構築する普遍的な価値観をもつ金という概念。
それはあまりに強大で薄弱な虚構の被膜である。

我々は、その被膜の下に存在の証明たる本質が隠されていることを、決して忘れてはならないのだ。

存在と本質の相関関係を感じ捉え、考え続けること。

それは人が生きるということに課せられた隠れた命題なのではないだろうか。


2013年/素材:鉄