東日本大震災において、報道的でも思想的でもない極めて個人的な一表現者として、 日本の ” 在りのまま ” を表現するため、余分な思考や要素を捨て去るまでに一年以 上の歳月を要した。様々な種の情報が如何に氾濫しようとも、ある消えない事実が 多くの人間の心と歴史に降り積もった。その変えようがない事実への痛感が、私が 捉え蓄積に裏付けられた歴史的現在年としての今である。 無論その今は、現在進行形である。
2012 年 / 素材:鉄 / 縦 600cm 横 72cm 高さ 10cm 東京藝術大学 安宅賞受賞